デザインレクチャー2018
SeasonⅠ
~予測不可能な世界を生き抜くための企画・デザインの発想を学ぶ~
京都大学デザインスクールで実際に行われている講義を中心に、企業向けに再編したレクチャーシリーズを開催します。予測不可能な時代(VUCA*)と言われる現在、異質なナレッジ、真の課題発見、解決策のデザイン力が必要とされています。そのためには、異分野の知見を学び、それぞれの分野で培われたデザイン理論・手法を理解し、その礎を築くことが大切です。
本プログラムは、京都大学デザインスクールの教員が、各分野のデザイン理論・手法を説く集中シリーズで、シリーズ全体を通しての受講をお勧めします。今年度は前期にSeason I、後期にSeason IIを開催する予定です。※単発の受講も可能です。
*VUCA: Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)
Point
・それぞれの専門分野における問題の捉え方や解決策のデザイン方法がわかります。
・自らの分野・業界の発想や問題の解決方法は限定的であり、バイアスがあると気付きます。
・どの分野のメンバーでプロジェクトチームを構成すれば、真の問題発見や望ましい解決策のデザインが可能となるか、計画できるようになります。
【第1回】人工物のデザイン
「人と機械の共創による社会技術系のデザイン」
本講義では、人工物のデザイン対象を、技術的要因に加えて人的要因・組織的な要因が相互に複雑に絡む複合体と捉える。とくに、人工物自身の中身と組織である「内部」環境と、人工物がそのなかで機能する環境である「外部」環境、さらにそこに人がどのように人工物とかかわるかの「インタラクション」の3 つの視点からのデザインを考える。さらに、自動化・知能化等の新たな技術の導入によって抱え込むことが予想される矛盾へも配慮しながら、それへの解消に向けた技術革新について明らかにする。
テキスト:椹木哲夫ほか(編著)「アーティファクトデザイン」、 京都大学デザインスクールテキストシリーズ 3, 共立出版(2018)椹木 哲夫/ Tetsuo Sawaragi
京都大学工学研究科 機械理工学専攻 教授京都大学大学院工学研究科修士課程修了、博士後期課程指導認定退学。京都大学工学部助手、准教授を経て2002 年より同研究科精密工学専攻教授、現在同機械理工学専攻教授。1991~1992 年米国スタンフォード大学客員研究員。京都大学工学博士。ヒューマンインタフェース学会会長、システム制御情報学会会長、IEEE SMC 日本支部支部長等を歴任。現在、計測自動制御学会副会長、 日本学術会議連携会員、ほか。
【第2回】サービスのデザイン
「価値共創の理論的視座とデザインの方法論」
サービス業に限らず、顧客との「価値共創」のためのサービスのデザイ ンは全ての企業、行政、非営利組織に求められている。最近注目を集め るサービスデザインの基本的な考え方を踏まえた後、サービス研究の最 先端の議論を通して、サービスデザインを新しい視座から捉え直す。特 に、文化を捉えて、新しい文化をデザインしていく方法について概説す る。文化の視座から新しい価値を作り出す新しい方法を議論する。
山内 裕 / Yutaka Yamauchi
京都大学経営管理大学院 准教授
京都大学経営管理大学院准教授。京都大学工学部情報工学卒業、同情報 学修士、UCLA Anderson Schoolにてh.D. in Management。Xerox Palo Alto Research Center研究員を経て、京都大学経営管理大学院のサービ ス価値創造プログラム開始時に着任。シンガポールInstitute on Asian Consumer Insightフェロー、サービス学会理事。【第3回】表現と認知
「デザインに関わる人の認知と特性」
社会的な文脈において人の関与しない人工物は存在しない。人工物は、人を含む系として人の営為によって構成される。本講義では、人の営為としての知的創造作業や知識共創の側面に焦点をあて、その原理とモデル、および関連する認知科学・社会科学の基礎を解説する。講義においては、人の思考過程に対する表現とそのインタラクティビティの機能と作用(表現効果)、表示時間のタイミング制御によって生じる人間の知覚と制御(擬似触力覚)、言葉のもつ物質性とコミュニケーションの本質(相互理解)、共創において生じる互恵とインセンティブバランスの認識と影響(ソーシャルキャピタル)といったトピックについて、事例紹介や具体的な実践を交えながら説明する。
中小路 久美代 / Kumiyo Nakakoji
京都大学デザイン学リーディング大学院 特定教授
1986年大阪大学基礎工学部情報工学科卒業、同年(株)SRA。1993年米国コロラド大学コンピュータサイエンス学部よりPh.D.取得。 コロラド大学客員助教授、奈良先端科学技術大学院大学客員助教授、東京大学特任教授を経て、2013年より現職。専門はヒューマンコンピュータインタラクション、ソフトウェアデザインおよび創造活動支援。特に知的創造作業のためのナレッジインタラクションデザインに関する研究。 に関する研究。
【第4回】まちづくり(matidukuri)
「国際研究者協力による「まちづくり」への直接貢献・研究の進展」
関西で始まった「まちづくり」は、アジア諸国をはじめ各国の研究者や地域コミュニティに知られる概念となり、コミュニティが自立と社会包摂性を獲得し、個人の自己決定を相互に尊重する社会関係のもとで居住環境を進化させていくプロセスと理解されている。その成果は都市域拡大に伴って生じる法定計画管理に留まらない居住地の環境再評価、地域社会の成長が進化的に生み出す魅力の再認識に繋がり、多くの実績を生みつつある。そうした動きを研究者が寄り添い参画するかたちとしての「フィールド・スクール」活動を都市・地域計画の方法として実践してきた実績から、日本、インドネシア、タイ、台湾、ドイツとの共同実践の例を紹介する。
神吉 紀世子 / Kiyoko Kanki
京都大学工学研究科 建築学専攻 教授京都大学工学研究科建築学専攻・教授。専門分野は都市計画・農村計画。とくに歴史都市・集落の文化的景観保全、居住者主導による自立的かつ社会包摂的なまちづくり実践に長期に関わる実践的研究を行う。インドネシア・ボロブドゥール寺院周辺地域でのBorobudur Field School活動ではインドネシアの研究者・農村集落コミュニティとと もに10年にわたる文化的景観保全活動を行い農村計画学会賞を受賞。
開催要項
デザインレクチャー 2018 SeasonⅠ
日程:
第1回 人工物のデザイン 2018年5月18日(金)
第2回 サービスのデザイン 2018年6月15日(金)
第3回 表現と認知 2018年7月20日(金)
第4回 まちづくり(matidukuri) 2018年9月21日(金)
時間:
15:00 講義(前半75分)
16:15 休憩
16:30 講義(後半75分)
17:45 終了
会 場:
京都リサーチパーク
京都市下京区中堂寺南町134
http://www.krp.co.jp/access/
対 象:
デザインイノベーションコンソーシアム会員、非会員
定 員:
40名程度
参加費:
デザインイノベーションコンソーシアム会員 無料
非会員 5,000円(税込)/1回分
※当日、受付にてお支払ください
申 込:(事前申し込み要) 各回、下記URLよりお申込みください。
第1回 2018年5月18日(金) https://pro.form-mailer.jp/fms/2593705e135816 申込受付を終了しました。
第2回 2018年6月15日(金) https://pro.form-mailer.jp/fms/aca61a87143354 定員に達した為、申込受付を終了しました。
第3回 2018年7月20日(金) https://pro.form-mailer.jp/fms/251dcaf5143355 申込受付を終了しました。
第4回 2018年9月21日(金) https://pro.form-mailer.jp/fms/1bd5001d143356
申込〆切:定員になり次第、募集を締め切らせいただきます。
第1回〆切 2018年5月11日(金)
第2回〆切 2018年6月8日(金)
第3回〆切 2018年7月13日(金)
第4回〆切 2018年9月14日(金)
・講義の振替はございません。予めご了承ください。
・お申し込み後のキャンセルはご遠慮願います。止むを得ず、ご欠席される場合は、事務局までご連絡ください。
主 催:
デザインイノベーションコンソーシアム
後 援:
京都大学デザイン学大学院連携プログラム
問合せ:
デザインイノベーションコンソーシアム事務局
京都リサーチパーク株式会社 担当:松浦、柳本
tel: 075-315-8522
mail: info_at_designinnovation.jp (注:_at_を@に変更してください)
チラシのダウンロードはこちらから◎セミナーの様子は写真・動画撮影を行い、デザインイノベーションコンソーシアムおよび京都大学デザインスクールの広報物やウェブ等に掲載させていただくことがありますのでご了承ください。問題がある場合は、恐れ入りますが事務局までご連絡ください。