設立趣意書
社会は今、温暖化、災害、エネルギー、食糧、人口など、複合的な問題の解決を求めています。現代社会の複雑化した諸問題は、高度に専門分化が進んだ現在、単一の専門領域の知識だけで解決することは容易ではありません。また、産業界においても、社内で時間をかけて人材を育成する方向から、多様な専門性を備えグローバル展開の即戦力となる人材を求める方向にシフトしつつあります。こうした状況を踏まえ、専門知識を社会の現場で生かしつつ、社会の諸問題を分析し、社会の発展に向けた総合的処方箋を「デザイン」できる人材の養成は喫緊の課題となっています。
こうした状況に鑑み、京都大学では、平成25 年度より「京都大学デザイン学大学院連携プログラム」を開始しました。本プログラムは、京都大学の4つの研究科、専門職大学院を中心に、産業界、行政機関、国内外の大学との密接な連携により、諸学の叡智を融合したデザイン学を基礎に専門領域を超えて協働し、社会のシステムやアーキテクチャをデザインできる博士学位を有する優れた人材を養成することを目指すものです。また、本プログラムでは、「デザインイノベーション拠点」を京都リサーチパークに設置しました。本拠点を中心として、産業界等の実問題や実務実践と大学の教育研究の橋渡しを実施する予定です。このように本プログラムを中心に据えた社会に開かれた様々な活動を「京都大学デザインスクール」として展開していくこととしています。
つきましては、このような本プログラムの目的の達成に向け、産官学の連携の一層の強化を図るため、産官と大学の双方に接する産官学連携の中核的組織として、この度「デザインイノベーションコンソーシアム」の設立を企画することといたしました。
本コンソーシアムにおいては、本プログラムの趣旨にご賛同頂き、産官学連携のための活動に参画頂ける広範囲の企業・団体の方々にご参加いただき、本プログラムを核とした産官学の活動の推進を図っていきたいと考えております。具体的には、産官学連携による相互学習を通じたデザイン学に関する人材育成・共同研究の推進等、産官学連携のもとで、異領域の専門家が協働して未来を創造する様々な活動を展開する予定としております。これらの活動を通じて、日本の風土や文化に根差したデザインイノベーションモデルを共創し、イノベーションの創出に寄与していく決意です。
本趣旨にご賛同頂き、多くの企業、団体等にご参加賜りますようお願い申し上げます。
平成25年9月26日