Design Seminars デザインセミナー

Fellow


畑中 哲夫

株式会社竹中工務店

畑中 哲夫

大阪本店 設計部
設計第2部門 部長

Profile

建築設計者として実務に約20年携わった後、現在は、ICTを用いた建築設計業務の改革の試行および推進にかかわっています。建築プロジェクトでは、土地所有者、建物発注者、施設運営者、利用者、地域住民、行政、施工者など多くの人が関わります。用途、規模、スケジュール、コスト、法規制などの与条件を引き出して客観化し、それらの「想い」を建築デザインとして構築することで「かたち」として実現させるのが建築設計者の役割です。手掛けた建築プロジェクトは、タワーマンションをはじめとする集合住宅、駅前市街地再開発事業、研修•宿泊所、テーマパーク、海外でのコンストラクションマネージメントなどです。

Message

まちや建築のあり方が多様化する中で、人々が安全安心で豊かに暮らせるまちづくり、建築づくりをしていくために、求められる機能は高度化、複雑化しています。
環境への配慮はもちろん、健康で快適な空間づくり、幸せや歓び、育みといった「人への優しさ」という視点も重要になってきています。私は建築設計と建築情報の業務経験を多く持つ実務者です。私の専門性を皆さんに提供することが出来ます。それをベースに異なる分野に学ぶ学生、専門家との協働により、多方面からまちや建築が求める新たな価値や魅力を創出するデザイン方法論の構築と実践を目指して行きたいと考えています。建築、情報、経営、心理、教育、芸術など多岐に渡る専門性を持った人材と共に学び、考え、デザイン出来ることを非常に楽しみにしています。

磯崎 彦次郎

株式会社野村総合研究所

磯崎 彦次郎

社会システムコンサルティング部
主任コンサルタント

Profile

早稲田大学院理工学研究科&公共経営研究科を修了後、野村総合研究所入社。現在、GOB-Lab Member 兼 野村総合研究所・主任コンサルタント。埼玉大学院経済科学研究科博士課程在籍。GOB-Labでは、アイデアやコンセプトからビジネスモデルや戦略オプションへの落し込み、戦略案に対する意思決定のあり方について研究し、ワークショップ、キャンプ、講演等を実施している。野村総合研究所では、事業戦略立案のコンサルティングをはじめとして、戦略より手前にあるコンセプトメイクでのイノベーション創出支援にも携わる。大学院では、戦略と連動した人材マネジメントのあり方、タレントマネジメントを研究する。数理社会学会、組織学会、日本労務学会会員。

Message

デザイン思考を活用したコンセプトメイクをコンサルティングする場合、現場観察により新たな気づきを得たり、各種の思考法を駆使してアイデアの収束・発散を行うところは、成功裏に進めやすい。しかし、思考プロセスや思考結果を表現して改善する段階(プロトタイプ)でつまづくケースが多い。プロトタイプ段階の方法論は確立されておらず、また自身の実践経験が不足していることなどが原因と考える。プロトタイプを効果的に進めるために、①目的の明確化、②評価方法の確立、③スキルの手配・期待値コントロール、④複数手法の実施、⑤プロセスの共有、が鍵になるのではないかと考えているが、それについて十分な検証ができていない状態である。フェローとして、コンセプトメイクに必要な様々なプロトタイプ手法を観察・分類したり、実験的に特定の手法を試して検証したりする中で、プロトタイプの在り方をデザインしたい。

今井 紘

オムロン株式会社

今井 紘

技術・知財本部
企画・CTO支援室 先行技術推進課 主査

Profile

2009年、東北大学工学研究科技術社会システム専攻修了、博士(工学)。半導体プロセスおよびLSI用のプリント配線基板の研究に没頭。同年オムロン(株)入社。入社以来、無線センサネットワークデバイス (IoT, Internet of Things)の低消費電力回路・環境発電回路等の研究開発に従事。並行して同デバイスのアプリケーション創出と技術企画に従事し、太陽光発電向け遠隔監視センサ等、新規事業向けセンサ商品の企画・開発を担当。2014年から技術・知財本部 価値創新推進室にて、新規事業企画・技術企画を担当。

Message

製造業のR&D部門で研究開発に従事する中で、特定領域の技術イノベーションのみによって顧客に価値提供することがますます難しくなってきていると実感しています。社会が成熟し価値観が多様化する中で「誰がどんなことに困っているか?」を発見し、問題定義する能力、シンプルで強力な解決策を構想し実行する能力を研ぎ澄ませること。当たり前のようですが、技術開発の現場に今まさに求められていることだと思います。このような課題認識の下、デザイン学の教員・研究員との産学官連携活動を通じて、多様な専門領域を持つ人材による①「顧客観察に基づいた問題発見と複合的な視点からの問題定義」 ②「融合領域での最適な解決策と実行プラン」をデザインしていきたいと考えています。本活動を通じて、社会課題を解決する理想的な場とはどのような環境かをみなさんと一緒に模索していきたいです。

粟田 恵吾

株式会社日本総合研究所

粟田 恵吾

未来デザイン・ラボ
ディレクター

Profile

日本企業の長期戦略を支援するために「未来洞察ワークショップ」という方法論を2001年より研究。英国Business Futures Networkとのライセンス契約により、2005年に博報堂フォーサイトを発足、2007年よりイノベーション(不連続な技術戦略・事業成長戦略)研究を進め米国IDEO社との協業を開始、同時にエスノグラフィを活用したデザインリサーチの研究開発を進め、2009年に博報堂イノベーションラボを起案・発足させ多数のプロジェクトを支援してきました。 2015年より日本総合研究所に新設された未来デザイン・ラボに移籍し、企業の経営戦略・事業戦略・技術戦略・組織人材戦略の支援と同時に、国や地方自治体における未来創造の支援を行っています。また、教育面では日本能率協会、東大i.school、東工大グローバルリーダー教育院において未来洞察ワークショップの講師を行っています。

Message

「未来は今ここにある」。これはSF作家ウィリアムギブスンの言葉ですが、未来変化の兆しを直観的に掴むことで、先入観や硬直化した思考を解放し、日本の明るい未来を自らの手で創り上げていくような創造的な人材・組織・プロセス・ネットワークなど、イノベーションのためのエコシステムの開発に貢献していきたいと考えています。 京都大学デザインイノベーション拠点が、様々なバックグラウンドを持つ教員・学生・ビジネスマンらが創発的にイノベーションエコシステムを創り上げていく場となることを期待していますが、人間はどうしても自分が得意とする思考方法や解決手段などにこだわるあまり、未来において重要となる課題をうまくとらえきれずに行き詰ることがあります。私からは未来洞察ワークショップという方法論の提供を通じて、問題解決力の決め手となる「本質的な課題を発見・共創する力」を支援していきたいと思います。また、参加者の皆さんと一緒に、創造的な問題解決につながる方法論の研究開発ができればこれほどうれしいことはありません。どうぞよろしくお願いします。

山口 義雄

株式会社日建設計

山口 義雄

設計部門
デザインパートナー

Profile

プランニング&デザインを目標に、ソフト・ハードがリンクした気持ちの良い場や環境のあり方を模索しつつ、かなりの時間が経過しました。街づくりや都市開発の企画計画に携って十数年。その後、大阪駅北地区国際コンペを契機として施設計画・設計に軸足を移し、公立学校づくりの市民ワークショップ、私立中高・大学の設計やキャンパスマスタープラン、文化・研究施設のプランニング等を実践。プロジェクト初動期のフワフワ状態から方向性を見定めていくアイデアブレストやコンセプトワーク、またプロセス全体の面倒をみるプロジェクトマネジメント等を担い、今に至っています。2013年文科省国立大学等施設設計指針の検討ワーキング参画。

Message

大きな環を描くように想像を巡らし、一見無関係と思える気づきをつなぎ、それがひと続きの線になった時ピンポンとなる瞬間があります。環が大きければ大きいほどピンポンは大きいのですが、あまりに壮大過ぎると宇宙の果てに消え失せていきます。このジレンマこそが産みの苦しみの醍醐味なのでしょう。
アイデア出しの方法は色々あるようですが、それよりもテーマに真摯に向き合う人たちの為人・背景・癖のようなものが相まって、アイデアが昇華していくのではないでしょうか。コンソーシアムにはそうした様々な知見をもつ方々が会し、何より高いレベルのコミュニケーションが交わされる創発場として期待しています。
いま気になるテーマは近未来の日本。必ずやってくる人口減少とIoTの流れ。その延長線上にシェアリング経済も視野に入りつつある中で、ソーシャルを切り口として、次代の学び・ヘルスケア・コミュニティのあり方等について、みなさんと一緒にこれまで見たこともない大きな環を描いてみたいと思っています。

鉄川 弘樹

ソニー株式会社

鉄川 弘樹

技術戦略部
統括部長

Profile

1996年、東京大学大学院工学研究科中途退学。1998年、大阪大学大学院工学研究科材料物性工学修士課程 修了。同年、ソニー株式会社へ入社し、事業所にて磁気メディアの開発、研究所にて磁気デバイスの研究を行った後に、信号処理アルゴリズムの研究に従事する。その後、研究マネジメントに携わり、現在、技術戦略部統括部長。また、上記の実務を行う傍ら、2005年、大阪大学大学院工学研究科博士号取得。2011年、北陸先端科学技術大学院大学知識科学専攻修士課程修了、技術経営(MOT)修了。2016年よりデザインイノベーションコンソーシアム拠点フェロー。

Message

デザインという言葉は、それを扱う人や文脈によって、いろいろな意味で使われています。私は、ものごとを作り出すための「企画」、それを拡大解釈して、「戦略」と捉えています。なかでも、個々の要素が複雑に作用し、新しい価値を作り出すデザイン、戦略に興味があります。また、自分のキャリアで多く携わってきたことからも、「企業における研究のデザイン」、具体的には、個々の研究テーマ、研究領域、研究組織のデザインに、高い関心があります。 
イノベーションという言葉の使われ方も様々ですが、「新結合」、「新しい捉え方」という意味で考える側面を強く持っています。「新結合」というのだから、その前に、「これまでのくくり」があるはずで、その特徴と本質を見極め、どの切り口で壊し、新たに構成するか、意味づけるかが大切だと考えています。異分野の学生、異業種の社会人、いろいろなくくりの人たちが集まり、作用し、新しい結合が生まれることを楽しみにしています。 

福田 卿也

株式会社博報堂

福田 卿也

関西クリエイティブ・ソリューション局開発チーム チームリーダー

Profile

1998年に京都大学の経済学研究科修士課程を修了。博報堂入社。企業・政府機関をクライアントにした広告コミュニケーションの戦略立案に関わりながらクライアントの新商品開発、事業開発に関わるようになる。最近では、デザイン思考によるイノベーション創発や要素技術の用途開発、街づくりのビジョン策定など幅広く“開拓のお仕事”に携わる。企業やブランドと生活者が「つながりを持つ接点」が広告以外にも多様に広がっている中で、広告以外にも新たにプロダクトづくりやサービス開発などの取り組みを通して生活者に新しいつながりを生み出すチャレンジを続けています。

Message

私は長らく広告会社のマーケッターとして、商品やブランドのコミュニケーションを考えるとき、生活者にとっての「新しい見え方」を模索してきました。しかし、生活者自身がコミュニケーションの影にマーケティングの匂いを見透していて、新しさだけではなく、「まがいなき本質」しか受け入れなくなってきている。そこには、「ヒトの本能を揺さぶるもの」が内包されているんだと思います。
私はデザインイノベーションもまたは「ヒトの本能に基づく行動変化」だと捉えています。ヒトの心を打たないものは商品・サービスや技術が優れていても定着しない。ヒトの本能に忠実に寄り添う視線がデザイン思考の根幹の一つだと思います。フェローとして、様々な方々との議論を通して、「多くの人が気づいていないヒトの本能を見つけられるか?」にチャレンジしていきたいと思っています。

中島 康祐

三菱電機株式会社

中島 康祐

デザイン研究所

Profile

2014年3月大阪大学大学院情報科学研究科博士後期課程を修了。博士(情報科学)。同年4月より三菱電機株式会社に入社。同社デザイン研究所で、昇降機のインフォメーションディスプレイやカーナビゲーションシステムなどのデザイン開発に従事。デザインシンキングを活用した提案型プロジェクトにも参画。並行して、テクノロジーでデザインを加速するべくデザインエンジニアリングやプロトタイピング文化の導入と実践に取り組む。2016年1月のプロフェッショナルデザインキャンプでテーマ提供。

Message

デザイナーとエンジニアという2つの職能はいつしか分化しました。しかし、急速な技術革新が進む現代、技術理解がなければ優れたデザインは成しえません。一方で、人間や社会への洞察がなければ、優れた技術も優れたプロダクトにはなりづらいものです。そこではデザイナーとエンジニア(そしてさらに多様な専門家たち)の職能を融かしあうことが優れたプロダクトを届ける鍵になるかもしれません。すでにエンジニアはデザインを、デザイナーは技術を学びはじめています。どうすればこの融合を加速できるでしょうか?私自身、技術系としてデザインに関わる中で、デザイナーとエンジニアの融合や協働がより良い成果に繋がることを実感しています。デザインイノベーションコンソーシアムの活動の中では、こうした実感を皆さんと共有しながら、デザイナーとエンジニアの融合にまつわる課題や手段を共創し、それらを本コンソーシアムに還元していければと思います。 

木村 篤信

日本電信電話株式会社

木村 篤信

NTTサービスエボリューション研究所 主任研究員

Profile

奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科を修了後、NTT研究所に入社、博士(工学)。主としてHCI、CSCW、UXデザイン、リビングラボの研究開発に従事。現在、UXデザイン研究のチームを牽引し、非デザイナーがUXデザインを効果的に学習できる仕組みや、デザイナーが効率的に作業できるツール等について研究。加えて、それらの研究成果を元にサービス開発プロジェクトのコンサルティングや、普及啓発活動を行っている。経済産業省主催「始動Next Innovator2016」2期生。著書に「2030年の情報通信技術 生活者の未来像、NTT出版、2015」等。2017年よりデザインイノベーションコンソーシアム拠点フェロー。

Message

「デザイン思考」や「ユーザエクスペリエンス(UX)」という言葉が注目されていますが、果たしてどれだけの人が本当の意味での人間中心設計という考え方を実践できているでしょうか。注目されているが故に、表層的な理解や実践が増える危険性も持っています。私の興味の一つは、これまで「デザイン」という専門性を持っていなかった多くの人々(非デザイナー)が、いかに人間中心設計の考え方を学び、仕事や生活の中で実践するのか、ということです。もちろん専門家が「デザイン」する活動にはさまざまな暗黙知が潜んでおり、一朝一夕で解明できる類の課題ではありません。
しかし、「デザイン」がより多くの人の使える考え方や道具になることは、個々人のクリエイティビティが最大限発揮される世の中に繋がり、人類の生き方そのものを変える力を持っていると考えています。そのような考えもあり、近年は、住民も含めたマルチステークホルダーでの共創、コレクティブ・インパクト、それらの活動を仕組み化するリビングラボの研究にも取り組んでいます。デザインイノベーションコンソーシアムという組織自体がコレクティブ・インパクトを意識した共創の場であると理解していますので、みなさんと一緒に探索させて頂ければと思います。

永井 隆行

京都リサーチパーク株式会社

永井 隆行

イノベーションデザイン部 部長

Profile

1994年東北大学工学研究科応用化学専攻修士課程修了。同年日本電気株式会社に入社し、半導体事業部に配属。液晶TVや携帯電話用ディスプレイドライバーICに使用される0.8~0.13umルールCMOS半導体プロセス、デバイス開発に従事する。やがて日本電気(株)の半導体事業を支えるまでに成長し、国内外の生産工場へ技術展開を実施。その後パワーデバイス用の窒化ガリウム(GaN)半導体開発に従事。2014年京都リサーチパーク株式会社に入社。ICT&デザイン(京大デザインスクール、デザインイノベーションコンソーシアム)、再生医療、エレクトロニクス&エネルギー、伝統産業の4つの産学公連携活動を担当し、京都発のイノベーション創出に向けた企業支援、新事業開発に携わる。

Message

私は前職で半導体のプロセス開発に長く携わっていました。非常に厳しい開発競争を勝ち抜くためには、バリューチェーンの最上流であるプロセス開発からしっかりとデザインする必要がありました。市場調査からコンセプトメイク、プロジェクト立ち上げ、スケジューリング、他部署との連携、量産体制の検討など、一事業をデザインするだけでも広い知識、経験やネットワークが求められました。現在は京都リサーチパーク(KRP)にて産学公連携活動を担当しており、ものづくり企業を中心としたネットワーク形成、マッチング活動などを行っております。再生医療やIoTなどの最先端技術を産業化に結び付けていくためには、幅広い分野の企業連合、大学との連携、そして全体をデザインする力が必要となります。多種多様な企業が400社入居するKRPという場所も活用しながら、京都大学デザインスクール、デザインイノベーションコンソーシアムとともに大学、社会との連携を深め、イノベーションを生み出す拠点を目指して活動したいと考えています。 

Former Fellow


※所属は委嘱当時のものです。

牟田 英正

日本アイ・ビー・エム株式会社

牟田 英正

東京基礎研究所
専任研究員

Profile

1991年、日本IBM株式会社入社。10年間ソフトウェア技術者として様々な製品開発に携わる。最初の5年間はOS/2開発チームにて海外のラボとの共同開発を経験。1995年に米国フロリダ州ボカラトンで半年間開発に従事。帰国後、様々な製品の企画、プロトタイピングを担当し、1997年に企画・提案したWebブラウザによるデスクトップ遠隔操作ツール「Desktop On-Call」はコンシューマ向け製品として市販される。その後、組み込み機器向けウィンドウシステム、Webブラウザ、Java実行環境などの開発に従事し、2001年にIBM東京基礎研究所に異動。それから13年に渡り、様々な研究に従事しつつ、その成果をもとに学位を取得。現在、エージェントベース交通シミュレーションとGAを応用した交通施策の探索に取り組む。博士(工学)。

Message

先日、サマーデザインスクール2014に参加させていただきました。様々な専門性を持つ多様でモチベーションの高い参加者達が集まり、活発で建設的な議論の中から、専門家だけの議論では見落とされがちな新たな気づきや斬新でワイルドなアイデアが生まれました。さらにそのアイデアの有効性を専門家がミクロ/マクロシミュレーションを使って検証するなど、多様な参加者達がお互いに補い合って、質の高いコラボレーションができていたのが印象的でした。デザインイノベーションコンソーシアムでも、このような多様な人々、多様な専門性、多様な考え方が融合することにより、特定分野の技術者、研究者の議論からは生まれない斬新でワイルドなアイデアが生まれ、またそれを実現させるために、様々な分野のプロフェッショナル達が協力し合える環境を作れるよう微力ながら努めて参りたいと思います。個人的には、難しい技術や研究を一般の人に分かりやすく、楽しく、美しく視覚化することに興味があります。異分野、異業種の皆様とのコレボレーションでこれまでにない斬新なものを生み出していけたらと考えています。

星野 泰漢

株式会社東芝

星野 泰漢

デザインセンター
デザイン第一部コミュニティ担当

Profile

京都大学工学部物理工学科(2010年卒業)にて「事例からのデザイン原理と感性評価の関係抽出による設計支援」東京大学工学系研究科機械工学専攻(2012年修了)にて修士論文:「語句アプローチによるデザインの発想支援に関する研究」、2012年より㈱東芝デザインセンターにて、社会インフラに関わる製品、コンセプト、コミュニケーションデザインに従事。大学院時に東京大学デザインサークルIDUT(50人規模)の立ち上げと運営に関わり、2011年にICFF(International Contemporary Furniture Fair, NY)出展、2014年には第17回文化庁メディア芸術祭審査員推薦作品(共同制作)等。

Message

新しいアイデア、それを実現する技術的イノベーション、美しいもの、価値提供のための戦略、そしてそれらを生み出すためのプロセス。これら全てに興味があります。大学・大学院では機械工学を専門としつつ、デザイナーのための発想支援に関する研究を行っていました。現在、㈱東芝でデザイナーとして製品やコンセプト、コミュニケーションなど様々な分野のデザインに取り組んでいます。京都大学の膨大な知に触れ自分自身刺激を受けつつ、企業との多角的な連携により社会を変えるようなビジネスの芽を生み出したいと思っています。工学とデザインを中心として様々な領域を跨いできた経験から、種々の理論や知見を理解し、そこから新しい切り口を見つけることができればと思っています。何より従来のデザインの枠にとらわれない、挑戦的なことに取り組みたいと思っています。微力ながら京大デザイン学の発展に寄与できればと思います。宜しくお願い致します。

大野 健彦

日本電信電話株式会社

大野 健彦

サービスエボリューション研究所
主幹研究員

Profile

1994年東京工業大学理工学研究科情報科学専攻修士課程修了。同年、日本電信電話株式会社入社。以来、認知科学、ヒューマンコンピュータインタラクション、サービスデザイン等の研究分野、特に人における熟達化の解明、視線測定技術、視線インタフェース、遠隔コミュニケーション、ユーザビリティ、ユーザエクスペリエンス、デザイン思考などの研究に従事。近年はフィールド調査、インタビュー等の質的調査に基づくユーザの理解と、そこから革新的なサービスを導出するための手法に関する研究を進めるともに、NTTグループの様々な部署と連携して、お客様が思わず使いたくなるようなサービスの創造および改良に取り組む。現在、NTTサイバーソリューション研究所主幹研究員。ACM、情報処理学会、電子情報通信学会各会員。

Message

私はこれまで、サマーデザインスクール2012および2013で,テーマを提供させていただきました。そこでは多様な人とコラボレーションを行うことで、これまでに気づかなかった新しい視点を得たり、斬新なアイデアが生まれてくることを実感しています。デザインイノベーションコンソーシアムは、大学、企業などのオープンなイノベーションの場として、これまで以上に多様な人々とコラボレーションできると期待しています。また、そのためにお手伝いさせていただく所存です。多様な人材が有機的かつダイナミックにコラボレーションを行い、そこから斬新なアイデアが生まれ、さらにそれを実行に移していく、そのようなことがこのコンソーシアムで実現できたら良いなと楽しみにしています。また、近年流行のデザイン手法は、その多くが欧米からの輸入です。ところが、国によってカルチャーや価値観は大きく異なることから、単に輸入すればうまくいく、というものでもありません(ということを私は北欧の研究者から言われました)。単に手法を翻訳するのではなく、日本ならではのデザインやイノベーションの方向性はどのようなものかという点についても、ぜひ皆さんと模索していきましょう。

松本 毅

大阪ガス株式会社

松本 毅

技術戦略部
オープン・イノベーション室長

Profile

凍結粉砕機の開発、受託粉砕ビジネス立ち上げ。薄膜型ガスセンサーの研究開発リーダー。基盤研究所 研究企画リーダー。研究所設立・運営企画に従事。技術部門東京駐在として、技術開発国家プロジェクトを担当。燃料電池プロジェクト、水素エネルギー製造・貯蔵プロジェクト等の立ち上げに従事。技術企画室 課長。全社技術戦略の企画立案。グローバル技術アライアンス戦略を推進。人事部で日本発「MOT(技術経営)スクール」を設立して教育事業を立ち上げた。(株)アイさぽーと取締役MOT事業本部長。平成20年4月大阪ガス株式会社 技術戦略部 オープン・イノベーション担当部長。平成22年より現職。先駆的な取組による「オープン・イノベーション」の推進。大阪大学大学院招聘教授、大阪工業大学工学部客員教授を兼任

Message

世界が注目する、世界に類を見ない、グローバルビジネス創発のためのフルライン・イノベーション・プログラムを持つ「グローバルオープン・イノベーション・プラットフォームの構築」グローバルビジネスの創出と発信の拠点を目指す「イノベーション拠点」に期待される機能―それは世界に通用する「イノベーション・プラットフォーム」と考えられる。グローバルビジネスのスタートアップを目指すすべての人が注目し、そこにアクセスすれば必要な技術やパートナーを発見し、事業化までの様々な支援が受けられる、世界に類を見ない、フルラインのイノベーション拠点の構築を目指す。
追求するのは、市場に劇的な変化を起こすラディカル・イノベーション拠点でグローバルビジネスを目指す者すべてがアクセスするプラットフォームを構築するには、二つのポイントがある。それは、オープン・イノベーションを核としたフルラインのイノベーション・プログラムと、スーパープロデューサーを中心としたドリームチームによるグローバル・ネットワークを構築。

白井 博志

株式会社博報堂

白井 博志

執行役員
関西支社長

Profile

1978年京都大学工学部金属系学科入学、翌年京都大学経済学部に転学部1982年京都大学経済学部卒業、同年4月博報堂入社、マーケティング部門に配属されて以来、大阪・東京を拠点として輸送機器・トイレタリー・食品飲料・電機・医薬品・事務機器等のマーケティング・コミュニケーション、ブランディング、コンサルティングを担当。2013年より㈱ 博報堂 関西社長代理(現職)、㈱ 博報堂コンサルティング 取締役 関西オフィス代表(現職)。・輸送機器メーカーのグローバルブランドマネジメント支援・トイレタリーメーカーの商品開発、市場導入戦略、情報発信戦略立案・嗜好品メーカーへのデザイン思考プロセス導入支援・IDEO東京オフィス立ち上げ支援・2014年プロフェッショナル・デザインキャンプにおいて実行委員として運営支援

Message

博報堂という会社は企業理念として「生活者発想」を掲げています。生活者発想とは、ひとことで言えば[消費者<生活者]という考え方です。人は消費を目的に生きているわけではありません。食品・飲料も、家電品、自動車も、通信サービス、金融サービスも、生活する人間から見れば、自らの暮らしをより良くするために選んでいる手段や道具と言えます。目的は、モノやサービスの利用を通じた、豊かさや幸福の獲得にあるはずです。個々の商品の買い手ではなく、暮らしの作り手である人間を「まるごと」観察し、その根源にある価値観や欲求の変化を読み解いていく…、それが生活者発想という考え方です。デザインシンキングという考え方に初めて触れた時、すごくすんなり受け入れられたのはそのような考え方やプラニングプロセスに慣れていたからかもしれません。今後、イノベーションも、ますます生活者発想が重要になると思います。アカデミック領域の経験、大学等での教育に携わった経験は皆無ですが、30年以上の多様(雑多)な生活者発想マーケティング・ブランディングの実務経験を活かして、デザイン学ユニットやデザインイノベーションコンソーシアムの活性化・発展のお手伝いができるよう頑張りたいと思います。

泉福 剛

三菱電機株式会社

泉福 剛

デザイン研究所

Profile

2000年に千葉大学自然科学研究科デザイン科学専攻を修了し、三菱電機(株)デザイン研究所に入社しました。入社後は、携帯電話やカーナビゲーションシステムを中心に、様々な製品のインタフェースデザインに携わりました。携帯電話(D902i)では、メニュー画面に初めてアニメーションを搭載し、仕様設計からアニメーションのスクリプト実装、グラフィックデザインを担当しました。カーナビゲーションシステム(NR-MZ60)では、一目で理解できる地図を目指し、シンプルマップという地図の企画、仕様設計を担当しました。現在はデザイン研究所の戦略立案や組織運営を担う部署に所属し、デザインのマネージメントに取り組んでいます。

Message

人の本質を掴むような気づきを得たときのワクワク感、冴えたアイデアを創出した時の気持ち良さ、出来上がったデザインに喜んでもらえた時の達成感。上手くいくことは少ないですが、これが楽しくてデザインを続けています。デザインを続けている中で最近感じていることがあります。この数年で学生の作品集を沢山拝見したのですが、サービスや社会システムなど様々な種類の提案が増え、デザインが貢献する領域の広がりや、デザインに取組まれる方の専門分野が多様化していることを実感しています。今回拠点フェローとして多くの方と一緒にデザインできるチャンスをいただきましたので、様々な領域のデザインについて、一緒に考えてみたいと思っています。

木村 千恵子

京都リサーチパーク株式会社

木村 千恵子

執行役員

Profile

都市型研究開発拠点である京都リサーチパーク株式会社において、産学官連携の業務を担当し、大学、外部機関と強固な連携をはかりながら、幅広い分野で新産業創出の土壌作りを目指したプラットフォーム活動や大学のナレッジを活用したベンチャー創出の活動を展開。また、米国、ドイツの産学官連携モデルの研究を行い、博士号を取得。政府機関においては、地域クラスター政策など産学官連携の政策やプロジェクトの審査にかかわる委員および公的研究機関の評価委員等に就任。文部科学省科学技術・学術審議会専門委員、経済産業省産業構造審議会臨時委員、中小企業政策審議会臨時委員。大阪市立大学大学院 創造都市研究科 博士(創造都市)。

Message

1990年代から、日本において本格的な産学連携施策が実施されてきました。その間、国立大学法人の設立、知財の管理体制、兼業に関わる制度設計等、日本の制度改革は格段に進んできました。しかしながら、いまだ日本が目指すべきモデルが組成されるに至っていません。デザインイノベーションコンソーシアムでは、日本の新たな産学連携モデルとして、デザインスクールと産業界をつなぐ中間組織体を志向しています。日本の大学風土、企業文化、また個人の価値観により醸成された産学連携のあり方をどのようにデザインできるか、試行的に実践しながら理論化、論文化を目指したいと思っています。また日本では、多くの政策が実施されてきましたが、それらの政策の評価指標が明確に確立していないという課題も抱えています。デザインイノベーションコンソーシアムから、様々な政策提言(政策デザイン)が発信されるような活動が興ることを期待しています。

加藤 泰久

日本電信電話株式会社

加藤 泰久

サービスエボリューション研究所
主幹研究員

Profile

1990年京都大学大学院工学研究科応用システム科学専攻修士課程修了。同年、日本電信電話株式会社入社。以来、音声信号処理、音声対話システム、マルチユーザVR(仮想現実)システム、学習管理システム等の応用研究や実環境での実践を行う。特にICTを活用した学習・教育に関するシステム、人の学びにおける行動や学習意欲などの研究に従事。ポジティブ心理学のフロー理論を活用した学習環境のデザインに関する研究で学位を取得。2014年からサービスデザイン、技能抽出・継承に関する研究を推進し、NTTグループと連携して、サービスの改善や新規サービス創出に貢献。現在、NTTサービスエボリューション研究所主幹研究員。教育システム情報学会、教育工学会、情報処理学会、人工知能学会各会員。教育システム情報学会、日本イーラーニングコンソシアム、日本教育学習評価機構各理事。

Message

私はこれまで、小学校から大学・企業まで、様々な状況での、教育・研修環境のデザインに関して研究開発やビジネスの側面から様々な立場で関わってきました。現在は、NTTグループ全体のサービスデザインの推進に取り組むために、インストラクショナル・デザインの知見を活かし、組織内での効率的な展開や普及についても検討を進めています。これらの活動を進める中で個社での取組の限界や、他者とのコラボレーションの必要性を大いに感じています。デザインイノベーションコンソーシアムは、大学、企業などのオープン・イノベーションの場として、大学や企業の多様な人々とのコラボレーションができると期待しています。企業内にサービスデザインを定着させて、実践し続けるには何をどうすればよいのか、日々の業務の中で活用し実践し続けるための工夫にはどのようなものがあるのか、とうい点についても、ぜひ皆さんと議論して、社内外を問わず実践していきたいと思います。


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