デザインセミナー series III 「アーバンデザイン」
2015.9.30(水)~10.2(金)
終了しました
デザインセミナーは、デザイン対象領域の理論を説く講義とデザイン理論を実践するワークショップを組み合わせたセミナーです。第1回目の「サービスデザイン」、第2回目の「ヘルスケアデザイン」に続き、第3回目は「アーバンデザイン」を実施します。社会における複合的な問題を多角的に捉え、解決する能力の養成を目指す3日間集中のカリキュラムをご用意しています。
豊かな生命と暮らしを育むためには、人工物相互の関係や人工物と人間・環境との関係を含む「都市エリア」のデザインを展開することが必要です。そこで第3回デザインセミナーでは、デザイン対象を個々の敷地から都市エリアに拡張することにより、多くの問題の解決をめざす「アーバンデザイン」を取り上げ、「持続可能社会のための都市エリアのデザイン」を可能にする都市ビジョンの1つとして注目を集めている「スマートコミュニティ」について学びます。
スマートコミュニティについては、これまでは
"再生可能エネルギーを最大限に利用する社会"の実現を目指すエネルギーや環境といったハードな視点から多くの試みが展開されてきましたが、現在ではライフスタイルやコミュニティ運営を含むソフトな視点から持続可能な社会の実現を目指す多様な取組が始まっています。European
Smart Citiesでは、Smart Economy, Smart Environment, Smart Mobility, Smart People, Smart
Living, Smart
Governanceという6つの特徴の組合せでスマートシティを定式化していますが、スマートコミュニティをデザインしていく上で、示唆に富むモデルと言えます。
アーバンデザインは、人類の始まりとともに進化してきたもので、人々の生命と暮らしに深く関わっています。21世紀を迎えて、ますます多くの人々が都市に居住するようになっていますので、都市エリアを賢くデザインする、すなわち、スマートコミュニティをデザインすることは、地球環境問題を始め、人類が直面している多くの困難な課題を解決する鍵を握っているといっても過言ではありません。こうしたアーバンデザインの本質を踏まえて、建築・都市、機械、情報、経営、心理等の多種多様な領域からのアプローチを総合して、「生命と暮らしを育むスマートコミュニティのデザイン(方法)」を学びます。
アーバンデザインの対象である都市は、自然環境、人工環境、社会-文化環境、情報環境などの多層に及ぶ環境と人間・社会とが織りなす複雑なシステムです。そのため、アーバンデザインでは多岐に渡る領域の専門家やユーザーを含む多くの人々の対話によるデザインが不可欠となります。
こうしたアーバンデザインのテーマとして、本セミナーでは「スマートコミュニティ」を取り上げますが、エネルギーやモビリティの問題にとどまらず、人間の生活や都市ガバナンスの問題を含む「生命と暮らしを育むスマートコミュニティ」にフォーカスします。
本プログラムの特徴は、次のような点にあります
アーバンデザインの特性を理解し、そのデザイン原理を探求する。 アーバンデザインの対象には、コンテクスト、機能・意味、形態・空間、スケール・階層構造などに応じて、多種多様な都市エリアが含まれます(ニュータウンの開発~既成市街地の再生、大規模な都市エリア~小規模な都市エリア、職住分離の都市エリア~職住共存の都市エリアなど)。そこで、アーバンデザインの基盤となる人間と環境とのダイナミックな関係にまで遡って、都市エリアを形成する人間集合や空間構造のデザイン原理を探求します。
生命と暮らしの視点からスマートコミュニティのブレークスルーを図る。 これまでのスマートコミュニティの事例を学習し、21世紀社会に相応しいスマートコミュニティのデザインビジョンを描き出したいと思います。具体的には、400m×400mの空間を想定し、生命と暮らしを育む視点から、未来のスマートコミュニティのデザインイノベーションを実践します。そのために、人々のエクスペリエンス(経験)を考えることにより、スマートコミュニティのブレークスルーを図ることにします(テーマ設定の例:エコロジー、ヘルスケア、ランドスケープ、エイジング、循環・連携・ネットワーク、コミュニティ・ガバナンスなど)。
デザインイノベーションのためのプロセス・手法、及び対話によるデザインの方法論を学ぶ。 今日、デザインイノベーションのためのプロセス・手法が数多く提案されています。本セミナーでは、これらの創造的なデザイン思考を支援するデザイン手法を学ぶだけでなく、それらの根底に潜む多主体の対話によるアーバンデザインの方法論についても学習します。
UN(国際連合)は"Sustainable City"、EU(欧州連合)は"Smart City"、APEC(アジア太平洋経済協力)は"Low Carbon Model Town"、経済産業省は"Smart Community" を使用しています。代表的定義は下記の通りですが、本セミナーでは、これらのスマートコミュニティの定式化を超えて、ソフトな人間的側面を重視する未来のスマートコミュニティのデザインを展開します。
代表的なスマートコミュニティの定義
経済産業省:
市民のQoL(Quality of Life;
生活の質)を高めながら、健全な経済活動をうながし、環境負荷を抑えながら継続して成長を続けられる、新しい都市の姿。
Japan Smart Community Alliance:
電気の有効利用に加え、熱や未利用エネルギーを含めたエネルギーの「面的利用」や、地域交通システム、市民のライフスタイルの変革などを複合的に組み合わせえたエリア単位での次世代のエネルギー・社会インフラシステムの概念。
アムステルダム自由大学のCaragliu.Aら:
人的資源、社会資本、従来的なインフラに加え、ICTインフラへの投資をもって、持続可能な開発と市民生活の質向上を目指す概念。
DAY 1
9.30 wed. 9:30~18:00 & 18:00~20:00(懇親会)
DAY 2
10.1 thr 9:30 ~18:00
DAY 3
10.2 fri 9:30~ 17:00
門内 輝行
(もんない てるゆき)
京都大学大学院工学研究科建築学専攻・教授
1973年京都大学工学部建築学科卒業。1975年東京大学大学院修士課程修了。1977年同博士課程退学。同年東京大学生産技術研究所助手。1989年早稲田大学理工学部助教授。1997年同教授。2004年より、京都大学大学院工学研究科建築学専攻教授。博士(工学)、一級建築士。
建築・都市記号論、設計方法論を中心に、人間と環境との関係を解読し、デザインする方法論の研究に従事。
日本建築学会理事、日本国際賞審査委員会・都市計画分野審査委員、日本学術会議設計工学専門委員会幹事などを歴任。京都市美観風致審議会会長、京都府景観審議会会長代理など、数多くの役職を務める。
京都大学デザインスクールでは、プログラムの立ち上げから深く関与し、京都大学デザインイノベーション拠点のデザインを手がける。現在、デザインイノベーションコンソーシアムの副会長も務めている。
1998年日本建築学会賞(論文)、2013年日本都市計画学会関西支部
2012年度関西まちづくり賞、2015年第9回キッズデザイン賞「優秀賞 経済産業大臣賞」を受賞。
河合 淳也
(かわい じゅんや)
三井不動産株式会社千葉支店支店長、三井不動産レジデンシャル株式会社執行役員 千葉支店長兼務
1983年東京大学工学部都市工学科卒業。1983年三井不動産株式会社入社、大阪支店勤務。その後、1987年より都市開発事業部にて分譲マンション事業担当。1990年より千葉市の「新都市エリア
幕張ベイタウン街づくり事業」を担当し、1998年より住宅事業本部都市開発事業課長として、東京都港区での汐留再開発事業「超高層都心型事業 汐留ツインパークス」などを担当する。
2004年より開発企画部環境創造グループで、東京都港区六本木にある「都市再生事業
東京ミッドタウン」、東京都中央区での「日本橋再生計画」などの開発許認可業務を担当。06年10月より柏の葉キャンパスシティプロジェクト推進部に所属、2011年4月より柏の葉キャンパスシティプロジェクト推進部長。2014年4月より現職。
篠原 哲哉
(しのはら てつや)
株式会社東芝 コミュニティ・ソリューション社 理事
技術士(電気電子部門、総合技術監理部門)
1980年早稲田大学理工学部電気工学科卒業。同年東京芝浦電気株式会社(現 株式会社東芝)に入社。システムエンジニアとして東京都、横浜市、大阪府、大阪市等の上下水道プラントの電気設備、監視制御システム等の構築に従事。
2008年社会システム社(社内カンパニー)水・環境システム技師長。
2010年新組織の社内横断組織であるスマートコミュニティ事業統括部に異動。スマートコミュニティのシステムインテグレーションを推進。2011年スマートコミュニティ事業統括部 統括技師長。2013年社内カンパニーであるコミュニティ・ソリューション社理事、以降現職。2014年次世代エネルギー事業開発プロジェクトチーム理事兼務。
2014年7月より関西支社勤務、大阪府茨木市在住。
橘高 宗平
(きったか そうへい)
株式会社日建設計
設計部長
APEC建築家
東北大学大学院博士課程前期終了後、日建設計にて様々なビルディングタイプの建築設計を行う。現在は国内外の医療施設設計を担当。
主な作品は、病院(神戸医療センター中央病院増築、石川県立中央病院、ふくしま県立医大増築、大津赤十字病院増築)、都市計画(天津市、南通市)、再開発(紀尾井町プロジェクト(赤坂プリンスホテル)、安住町再開発(知立ホテル))、ホール(ハーモニーホール福井、金沢電気ビル)、オフィス(北日本新聞社、岐阜新聞社、飯田橋ファーストビル)、体育館(名東スポーツセンター、トーエネック体育館)、学校(東郷小学校、河合塾岐阜校、東レ総合研修センター)、海外(フィリピン国ベンゲット総合病院、中国建設銀行福建省分行、トルコ防災化都市計画調査)。
新 一真
(あたらし かずまさ)
国土交通省都市局
都市政策課
都市環境政策室長
1989年京都大学工学部土木工学科卒業。1991年同大学院工学研究科修了。1991年建設省(現国土交通省)入省。1997年より京都国道工事事務所(現京都国道事務所)調査課長として、京都第二外環状道路、第二京阪道路等の整備を担当。
2005年より兵庫国道事務所長として、北近畿豊岡自動車道等の整備を担当。
2012年より内閣府沖縄総合事務局開発建設部企画調整官として、沖縄西海岸道路等の整備を担当。
2014年6月より現職。
児玉 正孝
(こだま まさたか)
株式会社竹中工務店執行役員
スマートコミュニティ推進室長
1979年東京大学工学部都市工学科卒業。同年株式会社竹中工務店入社。1980年開発計画本部(東京)配属、2002年開発事業本部事業部長(東日本担当)、2005年プロジェクト開発推進本部本部長、2012年 役員補佐、2014年役員補佐スマートコミュニティ推進室長。
2015年より現職。
主な担当プロジェクトに、東京オペラシティ(新国立劇場及び東京オペラシティビルの一体開発)、六本木ヒルズ(都市計画段階における全体計画支援、C街区[住宅]の基本計画提案コンペなど)、千駄ヶ谷外人専用賃貸住宅事業(企画、事業管理、賃貸セールス)、東陽フラッツ(単身赴任者専用サービスアパートメント事業)の事業企画などがある。
本セミナーは、京都大学大学院工学研究科建築学専攻門内研究室を中心に推進している京都大学デザイン学大学院連携プログラム(京都大学デザインスクール)のリーディングプロジェクトである「持続可能社会のための都市エリアのデザイン」 (http://www.design.kyoto-u.ac.jp/activities/leading/project_04/)の成果を踏まえて企画したものです。
デザインセミナー series III 「アーバンデザイン」
日程:
平成27年9月30日(水)~10月2日(金)
会場:
京都リサーチパーク 京都市下京区中堂寺南町134
http://www.krp.co.jp/access/
定員:
30名程度
参加費:
正会員A 165,000円(消費税込) (1社複数参加の場合、2人目以降90.000円
グループ会社から参加の場合も適用)
正会員B 200,000円(消費税込) (複数割引制度についてはお問い合わせください)
一般 300,000円(消費税込)
※宿泊費は含まれておりません
募集期間:
平成27年8月7日(金)~ 9月4日(金) 9月14日(月)
パンフレット:
アーバンデザイン パンフレット(PDF)
主催:
デザインイノベーションコンソーシアム
後援:
京都大学デザイン学大学院連携プログラム
問合せ先:
デザインイノベーションコンソーシアム 事務局
京都リサーチパーク株式会社 担当:山口
Tel: 075-315-8522 mail:info@designinnovation.jp