「気候変動と脱炭素社会:我々が目指す社会」
~持続可能社会と活力ある経済活動実現のキーファクターを紐解く~
【 講師 】
藤森 真一郎 氏
京都大学大学院工学研究科 都市環境工学専攻 教授
第8回政策デザインシリーズでは、SDGs第3弾として、"地球温暖化"をテーマに取り上げます。昨年夏の猛暑は、身近に危機を感じる機会となりました。今年の夏はどうでしょうか、更にその先は。新年早々、ロサンゼルスで大規模火災が起きていることはニュースでご存知と思います。人為的なミスや根底にある地球温暖化に伴う影響など、いくつかの要因が議論されていますが、これに限らず、世界で起こる様々な(自然)災害に関わる問題は、一つの専門領域で解決できるものではないため、様々な分野の専門家(環境・エネルギー・経済・政治・防災等)と世界中の人々の協働が期待されるところです。しかし一方で、世界各地で紛争が起こり、自国第一主義を唱える政治家や政党が力を持ち始め、温暖化に対抗するための国際的な合意を得ることは困難になりつつあります。そんな中で解決の糸口をどこに見出し、どう立ち向かうか、そのキーファクター/プロセスに迫りたいと思います。
今回は、講師に京都大学大学院工学研究科の藤森真一郎先生をお招きし、地球温暖化の本質とその対策に関わるご講演をいただきます。先生のご講演を受けて、参加者それぞれのお立場での意見を交換して頂ければと思います。今回はハイブリッド開催を致しますが、懇親の場も設けますので、実りある意見交換のためにもぜひ会場にお越し頂ければ幸いです。皆様のご参加をお待ちしております。
【講演概要】
本発表では、気候変動対策としてのカーボンニュートラル達成に向けた課題と展望を議論します。まず、パリ協定を背景に全球平均気温の上昇を抑える必要性が強調され、特に2℃未満、さらには1.5℃目標を達成するために、2050年までに世界全体でCO2排出を劇的に削減する必要性が示されました。これに必要とされる社会のありようを議論します。例えば、エネルギー供給側では、再生可能エネルギーの普及やCCS(炭素回収・貯留)の活用が鍵となり、エネルギー需要側では省エネと電化が基本戦略とされます。また、バイオ燃料や水素を含む多様なエネルギーキャリアの活用についても議論します。さらに、気候変動の不確実性を考慮しつつ、リスク管理や経済的影響のバランスを取りながら、技術的オプションや削減タイミングの適切な選択が必要となる気候変動問題を皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
日 時:2025年 3月18日(火)16時00分(17時半頃から懇話会を予定)
場 所:リアル/京都リサーチパーク 1号館 2階 サイエンスセンタークラブ
・講演会終了後、現地会場にて懇話会を開催
オンライン/(Zoom使用予定)
・オンラインでのお申込みをされた方には、開催2日前までに接続URLをご案内いたします。
・受講予定の環境でZoomが使用可能なことをご確認の上、お申し込み下さい。
(Zoomの接続テストサイト:https://zoom.us/test )
<お願い>
本フォーラム全体としての一体感醸成のため、カメラを「オン」状態にして参加いただければ幸いです。
対 象:京都大学教職員・学生、京都大学デザインイノベーションコンソーシアム会員、一部招待者
定 員:50名程度
参加費:無料
申込締切:2025年 3月11日(火)
お申込み:参加には事前登録が前提となります。下記よりお申込みください。
https://pro.form-mailer.jp/fms/e7f7aac2327037
・お申込み後、キャンセルをされる場合は、開催日前日までに事務局までメールにてご連絡ください。
主 催:京都大学デザイン学大学院連携プログラム
京都大学デザインイノベーションコンソーシアム
問合せ先:京都大学デザインイノベーションコンソーシアム 事務局
公益財団法人京都高度技術研究所 内 担当:野木
mail: info_at_designinnovation.jp (注:_at_を@に変更してください) 電話:075-323-7073
◆◇◆チラシのダウンロードはこちらから◆◇◆
◎フォーラムの様子は写真・動画撮影を行い、京都大学デザインイノベーションコンソーシアムおよび京都大学デザインスクールの広報物やウェブ等に掲載させていただくことがありますのでご了承ください。問題がある場合は、恐れ入りますが事務局までご連絡ください。
講演者ご紹介:藤森 真一郎(ふじもり しんいちろう) 氏
京都大学大学院工学研究科 都市環境工学専攻 教授
プロフィール:
2004年3月 京都大学 工学部卒業
2006年3月 京都大学大学院工学研究科修士課程修了
2009年3月 京都大学大学院工学研究科博士後期課程修了
2009年3月 博士(工学)の学位取得(京都大学)
2009年4月~2010年3月 日本学術振興会特別研究員PD、京都大学
グローバルリーダー養成プログラム研究員 兼任
2010年4月~2012年3月 国立環境研究所 NIESポスドクフェロー
2012年4月~2018年3月 国立環境研究所 研究員・主任研究員
2016年9月~ 国際応用システム分析研究所(IIASA)客員主任研究員(現在に至る)
2018年4月~ 国立環境研究所 客員研究員(現在に至る)
2018年4月~2023年5月 京都大学大学院工学研究科 准教授
2023年6月~ 京都大学大学院工学研究科 教授(現在に至る)
政策デザインシリーズについて
1990年代から、日本において本格的な産学連携施策が実施されてきました。その間、国立大学法人の設立、知財の管理体制、兼業に関わる制度設計等、日本の制度改革は格段に進んできました。しかしながら、いまだ日本が目指すべきモデルが組成されるに至っていません。京都大学デザインイノベーションコンソーシアムでは、日本の新たな産学連携モデルとして、デザインスクールと産業界をつなぐ中間組織体を志向しています。日本の大学風土、企業文化、また個人の価値観により醸成された産学連携のあり方をどのようにデザインできるか、試行的に実践しながら理論化、論文化を目指したいと思っています。また日本では、多くの政策が実施されてきましたが、それらの政策の評価指標が明確に確立していないという課題も抱えています。京都大学デザインイノベーションコンソーシアムから、様々な政策提言(政策デザイン)が発信されるような活動が興ることを期待しています。
◆木村 千恵子 / Chieko Kimura
大阪市立大学大学院博士課程修了、博士(創造都市)。京都大学デザイン学リーディング大学院特命教授。京都大学デザインイノベーションコンソーシアム幹事。