2022/11/29

「今、われわれの食べ物におきていること」
~SDGsシリーズ 農業(食)から見る我々の近未来~

 「政策デザインシリーズ vol.6」  2023年 2月 1日(水)

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「今、われわれの食べ物におきていること」
SDGsシリーズ 農業(食)から見る我々の近未来~

【 講師 】
 二宮 正士 氏 
東京大学大学院 農学生命科学研究科 特任教授

6回政策デザインシリーズでは、SDGsシリーズ第2弾として、"農業"をテーマに開催します。202211月に開催されたCOP27において、「損失と損害」の基金設立が合意されたとのニュースが飛び込んできました。一方で気候変動をもたらす温室効果ガス排出量削減の更なる数値目標設定等、根本的な問題は先送りになったままです。日々深刻化する地球環境の問題と人類が求める豊かさへの欲望は、どこでバランスを取ることが出来るのでしょうか。複雑に絡んだ問題を解くのは容易ではありません。今回は、農学とICT分野の第一人者である東京大学大学院農業生命科学研究科・二宮 正士 先生から、農業(食)をテーマに幅広く問題提議を頂きます。その上で、参加者を交えて意見交換を行いたいと思います。今回はリアル開催を致します。皆様のご参加をお待ちしております。

【講演概要】
半世紀前、ローマクラブがMITなどに委託して発表した「成長の限界」は、人口増に追いつけない食料生産がその大きな要因としていました。それから50年、確かに80億に達した地球人口の1割に当たる8億人が飢餓に苦しみ、ウクライナ戦争による食糧危機や食料品の高騰が報道されています。しかし一方で、我が国では相変わらずグルメ話がテレビなどにあふれ、スーパーやデパートには豊かな食品が大量に売られ、おいしく高品質で多様な食がインバウンドも魅了していると盛んに報道されています。どうも、日本では将来にわたる食を心配しているのは多数派では無いようです。

本講演では、20世紀後半、「緑の革命」などを通して食料の大増産に成功した一方、農業がもはやかつてのグリーン産業ではなくなってしまったことをお話しします。われわれに豊かな食を供給する一方、地球の安定的な窒素循環を壊し,温暖化ガスの大排出源であるなど、カーボンニュートラルやSDGs達成の大きな足かせになっています。また、食料不足が単に人口増によってのみもたらされるものではなく、われわれが何を食べるのかに大きく依存していること、単に熱量を摂取するだけなら100億人でも十分にこの地球は養える可能性があることもお話しし、食料生産の持続性と生産性の双方を担保しながらローマクラブの警鐘に答える道を探りたいと思います。


日 時:2023年 2月 1日(水)17時00分(18時半頃から懇話会を予定)
場 所:リアル/京都リサーチパーク 4号館地下1階 バンケットホール
     ・講演会終了後、現地会場にて懇話会を開催予定(飲食の有無等、詳細は後日ご案内します)
    オンライン/(Zoom使用予定)
     ・オンラインでのお申込みをされた方には、開催2日前までに接続URLをご案内いたします。
     ・受講予定の環境でZoomが使用可能なことをご確認の上、お申し込み下さい。
     (Zoomの接続テストサイト:https://zoom.us/test
<お願い>
本フォーラム全体としての一体感醸成のため、カメラを「オン」状態にして参加いただければ幸いです。

対 象:京都大学教員・学生、京都大学デザインイノベーションコンソーシアム会員、一部招待者
定 員:40名程度
参加費:無料
申込締切:2023年 1月20日(金) 1月27日(金)※申込締切を延長しました      
お申込み:参加には事前登録が前提となります。下記よりお申込みください。
     ★ご好評につき、申込受付は終了いたしました。
 
    ・お申込み後、キャンセルをされる場合は、開催日前日までに事務局までメールにてご連絡ください。

主  催:京都大学デザイン学大学院連携プログラム
     京都大学デザインイノベーションコンソーシアム

問合せ先:京都大学デザインイノベーションコンソーシアム 事務局
     公益財団法人京都高度技術研究所 内 担当:野木
     mail: info_at_designinnovation.jp (注:_at_を@に変更してください) 電話:075-323-7073

◆◇◆チラシのダウンロードはこちらから◆◇◆

◎フォーラムの様子は写真・動画撮影を行い、京都大学デザインイノベーションコンソーシアムおよび京都大学デザインスクールの広報物やウェブ等に掲載させていただくことがありますのでご了承ください。問題がある場合は、恐れ入りますが事務局までご連絡ください。


講演者ご紹介:二宮 正士(にのみや せいし) 氏

所属:東京大学大学院 農学生命科学研究科 PDS6_ninomiya.jpg
職名:特任教授

プロフィール:
・1983年東京大学農学部助手。その後、1991年農水省農業環境研究所研究室長、
 同農業研究センター上席研究官、農研機構中央農業研究センター研究部長など
 を経て、2010年東京大学農学生命科学研究科教授。2017年定年退職と同時に
 同特任教授および同大名誉教授、現在にいたる。農林水産技術会議委員や国際
 農業工学会CIGR会長、米サイエンス関連の科学誌の編集長、南京農業大学客
 員教授なども務めている。
・もともとの専門は植物育種学や応用統計学。1980年代から情報科学や情報技
 術の農業応用、とくに画像を中心とした意思決定支援に関わる研究開発に従事。
 関連原著論文や国際会議発表多数。JSTさきがけ総括をはじめ,多くの大型研
 究プロジェクトの代表等を勤めてきた。2017年には一連の研究活動に対して、
 日本農学賞・読売農学賞を受賞。近年は、食料生産の持続性と生産性の両立に
 関しても強い危機感を感じ勉強中。


政策デザインシリーズについて

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1990年代から、日本において本格的な産学連携施策が実施されてきました。その間、国立大学法人の設立、知財の管理体制、兼業に関わる制度設計等、日本の制度改革は格段に進んできました。しかしながら、いまだ日本が目指すべきモデルが組成されるに至っていません。京都大学デザインイノベーションコンソーシアムでは、日本の新たな産学連携モデルとして、デザインスクールと産業界をつなぐ中間組織体を志向しています。日本の大学風土、企業文化、また個人の価値観により醸成された産学連携のあり方をどのようにデザインできるか、試行的に実践しながら理論化、論文化を目指したいと思っています。また日本では、多くの政策が実施されてきましたが、それらの政策の評価指標が明確に確立していないという課題も抱えています。京都大学デザインイノベーションコンソーシアムから、様々な政策提言(政策デザイン)が発信されるような活動が興ることを期待しています。


◆木村 千恵子 / Chieko Kimurapeople_kimura.png
大阪市立大学大学院博士課程修了、博士(創造都市)。京都大学デザイン学リーディング大学院特命教授。京都大学デザインイノベーションコンソーシアム幹事。