「グローバルプロジェクトを成功に導く仕事術、組織、人材とは
〜国際宇宙ステーション 日本実験棟「きぼう」(JEM)の開発/運用プロジェクトマネージメントを省みて〜」
講師: 今川 吉郎氏((元)JAXA、特任参与/有人プロジェクト独立評価チーム長)
第11回目を迎えますビジネスデザインシリーズですが、今回は、「極めてクォリティの高い仕事を、グローバルプロジェクトとして如何に成功に導くか」という興味深い視点から、(元)JAXA、国際宇宙ステーション 日本実験棟「きぼう」(JEM)の開発/運用プロジェクトマネージャなど、要職を務めてこられました今川吉郎氏に登壇頂きます。
社会に旅立つ学生、送り出す大学関係者、これからのビジネスを担い、グローバル展開していこうとするビジネスマン、いずれにとりましても重要課題かと存じます。多くの方々の参加を期待致します。
【講演概要】
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、我が国政府による宇宙開発利用を技術面で推進する中核的実施機関と位置付けられており、基礎研究から開発・利用に至るまでの業務を一貫して実施しています。
とりわけ、国際宇宙ステーションは、日本、米国、ロシア、カナダ、欧州の計15カ国が参加するグローバルな大規模プロジェクトであり、他国の異文化や仕事の進め方を尊重しつつ、我が国固有の優れた発想をも取込んだマネージメントを、リーダーシップをもって推進することが求められます。
今回の講演では、主にJEMの開発や運用といったグローバルな大規模プロジェクトで求められる仕事術について紹介すると共に、宇宙開発利用に代表される失敗の許されない国家プロジェクトに必要な、広い視野、緻密な洞察力、前向きな姿勢等をもった人材の育成に必要なポイントについて、長年のJAXA/NASDA人生における多岐に亘る業務への取組み(*1)を通して得た持論を紹介し、参加各位の議論に供したいと思います。
(*1) 講師は、JAXA及びその前身である宇宙開発事業団(NASDA)において、
① 人工衛星打上げ用ロケットの開発や打上げ、
② ロケット、人工衛星、宇宙ステーション等の共通技術である各種材料、機構、構造、部品等の研究開発、
③ JAXA技術基準、工程標準類の整備、
④ 有人プロジェクトの安全・ミッション保証、
⑤ 国際宇宙ステーション 日本実験棟「きぼう」(JEM)の開発や運用、
⑥ 宇宙ステーションからの物資回収機の研究開発、
⑦ 有人宇宙探査に向けた調査・検討、
⑧ JEM、JEM用システム機器や実験機器、宇宙ステーション補給機(HTV)等のミッション達成及びJEM実験テーマの意義等を保証する独立評価
等々の多岐に亘る業務に従事されて参りました。
日時: 2017年3月29日(水) 開始時間;17時30分(19時頃から懇話会・有料)
場所: 京都大学デザインイノベーション拠点(KRP9号館506)
対象: 京都大学教員・学生、デザインイノベーションコンソーシアム会員、一部招待者
定員: 40名程度
参加費: 無料(懇話会1000円)
申込締切り: 2017年3月21日(火)
申込み: ★ご好評につき、申込受付は終了いたしました。
主催: 京都大学デザイン学大学院連携プログラム / デザインイノベーションコンソーシアム
問合せ先: デザインイノベーションコンソーシアム 事務局
京都リサーチパーク(株) 山口、柳本
mail: info_at_designinnovation.jp (注:_at_を@に変更してください) 電話:075-315-8522
チラシのダウンロードはこちらから
講演者ご紹介:
今川 吉郎(いまがわ きちろう) (元)JAXA、特任参与/有人プロジェクト独立評価チーム長
プロフィール:
1949年 大阪府生まれ
1973年 京都大学工学部冶金学科 卒業
1975年 東京大学大学院工学系研究科金属工学専門課程修士課程 修了
1978年 東京大学大学院工学系研究科金属材料学専門課程博士課程 課程修了(単位取得満期退学)
1978年 宇宙開発事業団 入職
2002年 技術研究本部マテリアル・機構技術グループ長
2003年 宇宙3機関の統合により、宇宙航空研究開発機構の職員となる
総合技術研究本部マテリアル・機構技術グループ長
2006年 宇宙基幹システム本部JEM開発プロジェクトマネージャ
2008年 有人宇宙環境利用ミッション本部JEM開発プロジェクトマネージャ
2008年 有人宇宙環境利用ミッション本部JEM運用プロジェクトマネージャ
2010年 有人宇宙環境利用ミッション本部宇宙ステーション回収機研究開発室 参与
2011年 特任参与/有人プロジェクト独立評価チーム長
2015年 宇宙航空研究開発機構 退職
現在に至る
<ビジネスデザインシリーズについて>
日本経済を支え、世界をもリードしてきた電子産業の凋落傾向は否定できず、これに代替する新産業の興隆、これの萌芽となるベンチャー企業の勃興も期待値からは、遠い状況にあります。このため、日本は経済・産業の視点からも大きな転換を余儀なくされ、まさに、産業・ビジネスをグローバルに設計(デザイン)し直す時を迎えています。
元シャープ常務・京都大学デザイン学ユニット特任教授の貫井孝氏プロデュースの本シリーズでは、産業界の一線で活動している、または実績のある企業人を招き、ビジネス現場の実態、抱えているビジネス課題、その突破口、戦略、そのための人材論などアクチュアルな講演をいただきます。これをもとに、産・官・学の参加者が、質疑、試論を交わし、ビジネス価値、ビジネスモデルを創造する思考起点となることを期待しています。
国の経済活動の中枢を担う「産業・企業・グローバルビジネス」という切り口から、様々な分野・バリューチェーンにおける解決課題の認識と方向性、それを可能とするイノベ―ティブな人材要件などを語り合い、それぞれの立場の人々のモチベーションを高めるとともに、「これから」のビジネスイノベーションに繋がる一歩とすることを目指します。
京都大学工学部卒業。シャープ(株)中央研究所を皮切りに、同社電化システム事業副本部長、生産技術開発推進本部長、取締役IC事業本部長等を歴任。平成22年より同社常務執行役員生産技術統轄。同社顧問を経て、平成25年12月より京都大学デザイン学ユニット特任教授。